ガソリン安過ぎに待ったがかかる

ガソリン価格がだいぶ安くなってきて、消費者としてはうれしい限り。
しかし、あまりにも安すぎるガソリン価格に、公正取引委員会が待ったをかけた。
レギュラーガソリンのリッター価格87円、

この価格を設定したのは、コストコの愛知県常滑市の店舗。
それだけでなく、近くの別のガソリンスタンドでも、同じ87円。
これに対して、公正取引委員会が独占禁止法違反のおそれがあるとのことで
「不当な価格での販売をやめるよう」警告を出した。

元々は、地域一番の安さを売りにするガソリンスタンドの近くに、
コストコのスタンドができたのが、「不当な価格での販売」の競争になるきっかけだった。
115円から始まった価格競争は、わずか10日ほどで87円まで下がった。
牛丼の安売り合戦みたいなことが、ガソリンでも起こっていたんだな。
安くし過ぎると、そのガソリンスタンドが苦しくなるんだし、
安くするのはその店舗の自由だと思っていたが、それでも独占禁止法違反になってしまうのか。

今回競争していた2つのスタンドだけが苦しむのなら単純に自業自得なのだが、
迷惑だったのは、周辺の別のガソリンスタンド。
この頃の愛知県内のガソリン価格は120円台だったというから、87円のスタンドとは
40円くらいの差が発生していた。
この周辺のスタンドへの営業妨害に当たるということで、公正取引委員会が
警告を出したようだ。

「安さ」というのは、他社との差別化をはかる上でも大きな武器になる。
安くすれば、それだけ自社の利益が減ってしまうが、それで多くの客を獲得できれば
結果として利益を得られる。
実際に、日本企業が海外の企業に押されているのも、海外企業の商品の「安さ」という武器が
大きく影響していると思う。
性能や品質に著しく差がある場合は別だが、そうでもなければ消費者目線ではやっぱり安い方が良い。
少しの価格差くらいだったら、何となく高い方が性能が良いような思い込みがあるから
逆に高い方を選ぶこともあるけれど。

そういえば、今回は公正取引委員会がストップをかけたけど、それがなかったら、
87円よりもさらに下まで、安売り競争は続いていたんだろうか。
どこまで続いたんだろう?
そして、安売り競争をしていた2店舗は、何を目指していたんだろう?
単純に考えれば、相手が下げられない価格まで下げることだったんだろうけど、
相手をつぶすことが目的だったのかもしれない。
相手より安い価格で、自分のところが地域最安値になったとして、
その価格をキープし続けるのは、自分の首を絞めることになる。
少なくとも、その価格で利益が確保できないとしたら、続けるほど
赤字が増えていくことになる。
相手をつぶせれば、その後は価格を少しずつでも戻していけばいいんだし、
やっぱり相手をつぶさないと、地域最安値店になれたとしても勝者には
なれないんじゃないかな。

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